デザイン史
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今年(2005年)は八王子いちょう塾の中で、「デザイン史」を聴講することとしました。
昨年の「創造の現場」に次ぐものです。
「デザイン史」は日本のデザインの歴史をたどるというもので、10人弱の聴講生でした。
講師は若い女性の末房先生で、多摩美出身、東京芸大でも研究歴があるとか。
以下のカリキュラムで11月16日までです。
伝統工芸と近代性1
伝統工芸と近代性2
工業化とデザイン
大量消費社会の始まりとデザイン1
大量消費社会の始まりとデザイン2
高度経済成長終焉とデザイン
情報化社会とデザイン
そもそもデザインとはなんでしょうか。
模様、マーク、ロゴ、チラシにポスター、さらには工業デザイン、ユニバーサルデザイン、
コンピュータグラフィクス、都市デザインや照明デザインまで、気がつくだけでも幅が広いのです。
しかしお話を聞くと、どうも図案を中心とした商業デザインに関心というか、
焦点が当てられていたように見受けられました。
日本のデザインの始まりは?というので、私は縄文式土器あたりかなと思ったのでしたが、
なんと講義は、初めての産業博覧会や万博など19世紀後半からになりました。
アール・ヌーボーやアール・デコなど外来のデザインに刺激を受け
三越や資生堂のポスターなどから発達したというのが、先生の主張です。
その先駆者に、杉浦非水、河野鷹思
、山名文夫
らがいるといいます。
正直言って最後までデザインの概念ははっきりしませんでしたが私なりに今回の講義を基に定義してみると、
「色や形だけでなく、機能、コスト、メンテナンス、環境などを総合的に考え、
しかも大量生産を可能とすることにより消費者の強い訴求を実現する制作活動」
硬すぎますか。最後にこれを補うべく、幾つか先人の言葉を紹介しておきます。
ブルーノ・タウト:材料、技術、形に質を示し、それが近代的に生産できることがデザインの質とする。
小池新二
:デザイン界から工芸の語句を追放すべし。デザインは設計の意で、意匠のことにあらず。
同じく:デザインはクリエーションであり、愛であり、人間である。
柳宗理
:民芸は地域の文化、民族の文化であるが、デザインは人類の文化である。
(05.11.11 更新)