湯山画伯の講評
湯山先生が芸術院賞を受賞されました。おめでとうございます。
2018年6月19日に皇居で授賞式がありました。静岡新聞の記事です。
先輩から誘いがありJR東海系の公益財団法人が油絵の講評会を開くので
参加しないかとのこと。
湯山俊久画伯
(日展理事)
といえば非常に端正な絵を描くことで知られており、思い切って参加しました。
20号以下の絵を2枚持って来いというので、10号2枚を持参しましたが、
私の場合は約30分、熱心に指導してくれました。年4回開催されるそうで、
とりあえず1年間、指導前と手直し後の絵を見比べていただければと思い、
このサイトを立ち上げることとしました。
先生はネクタイを締めてサラリーマン風、温厚なご指導で感激しました。
いずれも左が修正前、右が修正後の絵です。
「修正前」には先生のチョーク跡が見えるかもしれません。
ご指導前後の絵で色調が変わっているのは写真撮影のせいで無視願います。
第11回 2018年9月19日に見ていただいた作品です。
「檜尾岳」は,全体として出来がよい。手前の岩もよく描けている。
人物を手前に入れるのは、山がぼけるので賛成しない。リュック程度なら良いかも。
色味が少ないと感じるなら、岩の一部にすこし赤味の色でも加えたら。
左端の空が強い。真ん中下の日の当たっている岩のところも弱める。
[パティオのある喫茶店」は、対象として面白い。いろんな角度から試みてみたらどうか。
テーブルが歪んで見える。天井も切ってしまった方が良い。
左の観葉植物のところもなくてもい。左側に持ってきたらどうか。
テーブルももっと華やかにいろいろあってもよい。椅子ももうちょっとしっかりと。
[雪の八王子」は、前回に続いてだが、左隅の三角が気になる。白くしてしまった方が良い。
遠景建物などをはっきり、影も強めて。右端の建物も光を強調したらよいのでは。
建物の上部と架線のビームが重なっているのが気になる。
第10回 2018年6月21日に見ていただいた作品です。
「奥多摩川」は流れの消失点を大事に、その向こうの岸を強く描く。
川は蛇行の一部がはみ出てもよい。
空気遠近法だからと言ってボンヤリ描くと絵が締まらない。
[雪の八王子駅」、信号の赤をはっきり、架線の見せ場は描き込め、雪は汚さないように、
遠くの建物をもう少しはっきり、建物の影側の角のところは濃くする、
ガラス窓などもはっきり書いた方が良い、雪の上の影はあまり強くするな。
建物のガラスはもっとしっかりと、
[真珠湾埠頭」、電気の明るいところを少し際立たせたらよい。
その他描きかけだったので手を加えました。
全般的な話として、モチーフに働きかけをする(下手に作りこむのではなく)
逆にモチーフから働きかけてくるものをとらえて描けとのこと、難しいです。
第9回 2018年3月24日に見ていただいた作品です。
光の当たる木の幹の影の部分はもっと強くてよい。左端のブッシュは明るく。
気になっていた紅葉と手前の落葉についてのコメントはありませんでした。
人物の配置具合はよいが、手前の人物のズボンは黒いほうが良い。
緑ももう少し強くてよいし、右隅は明るいほうが良いのではないか。
木の根っこは少し強く広がり過ぎているのでぼかしたら、とのことでした。
人物が小さすぎて道幅が広く見えることについては、そんなことはないとのこと。
雪は茶色が混じると汚くなる。見どころの家を明るく色味を添えたら引き立つ。
右隅に三角に茶色があるので、ここは雪などでぼかすこと。
樹の具合はよくできてるとのことで、皆さんの評判も良かったです。
第8回 以下は2017年9月にお願いした作品です。
三ツ峠は第7回でも見ていただきましたが、直して見せてと言われたので
再挑戦しました。
もう一段、雪山を白くし、左側から家にあたる光を明るく見せよとのことでした。
やはり地味過ぎたということでしょう。少しは直ったでしょうか。
yuurakutyounoガード下を描いた作品です。まず空を明るく
ビルも光の当たっているところを強調せよとのことでした。
道路中央のマンホールは何だか分かりにくいので消しました。
全体に黒っぽかったのですが突き当りを少し明るくしたらとのことでした。
左側のバイクはほめられました。
これも以前見てもらって、大きくしてみたらというので30号にしてみました。
空を少し明るくしてみよとのこと。それと左側の暗い雪の部分をもって白く
遠くの山も雪を積もらせて、とのことでした。
また左上の草原を黄色くして目が行くようにとのご意見でした。
以下3点は2017年6月に講評をお願いした作品です。
第7回
三ツ峠を望む風景を描いたものです。20人ほどで出かけたのですが
皆さんは付近を流れる川などを描いておりました。
暗いのが気にはなっているのですが、人っ子一人いないのです。それで猫を。
先生からは、明るいところ、屋根や火の見櫓などをもっと強く描いてほしい、
雪も白く、山の色は紫すぎ青味で、空も明るく抜けてほしい、とのこと。
猫は、「最初、犬かと思った」とのことでしたが
「見ているうちに猫に見えてきたとのことで、やれやれ。
直して次回にでも見せてほしいとのことでした。
同じ三ツ峠ふもとですが、山は描きませんでした。「早春賦」と名付けました。
タンポポなんか描き足してみましたが。
先生は、中景の家々をもっと強く描いたら絵がしまる。
また空の色を明るくしたら、とのことでした。
家の近所の清水公園の風景です。夏、秋、冬ときて、春が抜けてたので。
新緑は時期が短いので、いつの時点がよいか難しいです。
木々のタッチが一様なので、「手前の木は枝も太くしっかり描いたら、
屋根はより赤く、壁はより白くして、引き立つようにとのことでした。
3点とも構図については指摘はありませんでした。
(2017年6月15日)
東京駅をビルから見下ろした作品は粗く描いたのでどうかと案じましたが
これでよいとのこと。ただし、見せ場はどこなのか、ホームならそれらしく
遠くのビルならより丁寧に細部も描けとのことでした。
、 また絵の左下角の隅に線を持ってくるな、右側の建物をもっと強く描いたら。
そうすることで、奥の方に目を引き入れられる。手前の飯場の影は薄くせよとのこと。
公園の秋景色は自分としてはよいと思っていたのですけれど、
見せ場として遠景に黄色を入れて明るくすると引き立つ。
木の葉の黄色のテンテンがうるさい、手前の葉を明るくしたら、
木の影は地面の草などに合わせてデコボコするものだから単調にならぬように。
新宮城址の絵はまとまり過ぎて見えるのが気になっていましたが
光がよくわかってよい、近影もでしゃばらずよい
空をもう少し明るく抜くように。それには遠くの樹木の色をグレーっぽく、
左の枝も上に伸ばせとのことでした。総じて3点とも合格点だったかと思います。
2017年5月24日
第6回
熊野古道について
右手前の木の根元が問題。
消失点をもっと目立たせること。日当たりの草を明るくし
木も黒く力強く描くこと。左の崖がよくわからない。
廃工場について
右下の黄色い花は要らない。レールが中央にきているのも気がかり。
レールの道床は目立ちすぎる。右側のタンクの上の柵が雑だ。
空がまだ青すぎる。
冬の集散について
左側のにカーブが単調。途中を木で一部覆うこと。
列車の前の線路が弱い、レールの具合がはっきりしていない。
左上隅の消失点に目が行くよう、光を当てて目を向かせる。
背後の家を2軒ぐらいしっかりと描く。空はこの色でよい。
奥多摩晩秋について
木の枝が一様に見える。光の部分、影の部分、ばらばらのところ、塊のところ。
立体感を出して、前後関係の奥行きを出すように。一部の枝は上にもっと伸ばす。
後ろの岩の一部にも弱い光が感じられるように。
冬木立について
家の前あたりに目が行くので、その付近の道や草木をしっかり描く。
見る人の目を前方から道で辿らせて、消失点のほうに向かわせる工夫をする。
手前の木も影の部分に反射光が及ぶようにして和らげること。
空の青が強すぎるところがある。
「赤い帽子の女」について
両肘がどこにあるのかわからない。それを意識して毛皮のショールに
光のあたる部分と影の部分を作ってやる。また膝の位置も不明なので
両足を左にずらしたほうがはっきりしてくる。スカートの左端も
ここまで長くしなくてよい。椅子が不安定に見えるので前のほうを
少し長くし後ろ足を短くする。椅子の背もたれも小さくしたら。
顔は良く描けている。カーテンの色もよい。
「高尾晩秋」について
左側の木と右下の茂みが暗くて重苦しい。木漏れ日や光を当ててみたら。
また左の木の向こう側の地面に光を当て、左に開けていくイメージにする。
人物は大きいと目がそこに行くが、丁度良い大きさだし,
後ろ姿に留めてあるのがよい。
(2016年3月23日)
第5回
「神田川」について
電車にもっとリアリティが欲しい。赤電車が大きすぎる、トンネルから少し出るくらいにしたら。
遠くのビルをもっとしっかり、影をつけたり看板をつけたり。陰の色にも色味が欲しい。
建物などは垂直にせよ。線路や左下のほうは良くできている。
「清水公園」について
木の緑や明るく抜けているところはこれで十分。ベンチも大変引き立つ。
手前の草をしっかりと土と馴染ませて。左隅まで明るい色を引っ張れ。全体的に結構。
(2015年10月2日)
「姉妹」について
姉の顔が大きいので、体を少し太くすると良い
光がさしているのは良いが左上の部分については少し薄くしたら
姉の左肩から腕の関係を見ること。ややぎこちない
服の色は両方とも良い、コップもよい、顔色は白すぎないこれで十分、指の具合は良い
ほうれい線は強調しないように、肌の影の部分は寒色でまとめよ
「春の山里」について
空面積が多い、
山と空の境界が問題あり、白い部分を右上の雲とつなげたらどうか、右隅だけ白雲があるのはよくない
上の木々に少しアクセントが欲しい 、一様すぎる
家の点在する具合はよい
絵は大地と空だけの気持ちで描き、そこにアクセントをつけるようなつもりでまとめたら
2015年6月19日
「待春」について
構図のバランスや背景・小物はよい、下の子の顔を主題にまとめよ
上の頭は切りすぎなのでもう少し下げられないか
肌は寒色・グレーでまとめるとよい、赤は使わず最後に少しだけ
、 首は顔面より引っ込んでいるので暗い後退色で。
手前の手は顔の大きさと見比べよ、指は太すぎないよう、爪は白過ぎないよう
顔は笑顔でない方がよく、歯を見せるなら白くしない、
左が修正前、右が修正後の「待春」です。
上の子の顔つきが変わっちゃいました(美人になった?)が。
「榛名遠望」について
「造形解釈」が大切で、前景の処理などで遠近感を出す工夫をせよ
道路の構成が不自然で大きく左に曲げたら。道の行き先まで描き入れよ
、 建物は屋根など少し明るくしっかり描く、手前の建物はよい、
主題をしっかり、後はあっさりと。影が強すぎる
榛名山と空、木と向こうの山の間の明暗が強調しすぎ
直せば大作にもできるのではないか。
(2015年4月16日)
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